こんにちは。
「アラ還個人事業主のほぼ引きこもり日記」の雅栄(がえい)です。
人にはそれぞれ「向き・不向き」というものがあります。
私は長年、その不向きの方向へ全力疾走してきました。
改めて並べてみます。
人見知り。
コミュニケーション不全気味。
出不精。
怠け癖。
書いていて、軽く絶望しました。
普通なら、この時点で「営業職」という選択肢は消えます。
ところがなぜか私は、30年以上もその業界の最前線に放り込まれ、生き延びてしまったのです。
これはもはや才能ではなく、奇跡に近い出来事です。
電話一本が命がけだった時代
営業マンにとって電話は武器です。
私にとって電話は処刑装置でした。
受話器を持つ手は震え、
コール音は心臓の鼓動と同期し、
相手が出る前に汗だくになっていました。
訪問も苦痛でした。
雨の日などは、空に向かって
「今日くらいは世界が静かに滅んでくれないだろうか」
と本気で願ったものです。
コミュ障が編み出した“ずるい戦術”
私はやがて悟りました。
「まともな営業マンを目指すのは無理だ」
そこで、戦い方を変えました。
① 完璧を捨て、型に頼る
私は感情を捨てました。
笑顔は練習で作り、説明は台本通り。
人間というより、動作するマニュアルでした。
② 喋らず、聞く
自分が喋ると事故が起きる。
だから相手に喋ってもらう。
これは意外と有効でした。
③ “害のなさそうな人”を演出
デキる営業は諦め、「感じの悪くない人」を目指しました。
これは臆病者の戦略ですが、生存率は上がります。
④ 深追いしない
無理だと思ったら撤退。
これは逃げではなく、戦略的撤退です。たぶん。
営業を続けられた本当の理由
私はこの仕事を「好き」になったことはありません。
ただ、
「そこまで嫌ではなかった」
という、あまりにも地味な理由で続けていました。
好きではないけど耐えられる。
このラインは、意外と長持ちします。
逃げたことで、ようやく生き残れた
個人事業主になった今も、私は似たような仕事をしています。
ただ決定的に違うのは、逃げ道がちゃんと用意されていることです。
ノルマはない。
怒鳴られない。
無理に笑わなくていい。
人見知りも、コミュ障も、怠け癖も、相変わらずです。
でも、それ込みで動ける場所に来たことで、私はようやく息ができています。
最後の報告書
世の中には「完璧な人間」がいると聞きます。
私は会ったことがありません。
もしあなたが、
・仕事がつらい
・自分は社会不適合だと感じている
・毎日が少ししんどい
そんな状態なら、お伝えしたいことがあります。
「欠点があっても、生き延びる方法はあります」
私はそれを、“ずる”と呼んでいます。
ずるくていいんです。
賢くなくてもいいんです。
逃げながらでも、生き残れます。
――30年以上、営業畑という戦場で生き延びてしまった男の、
これ以上ない実話です。


