こんにちは!
「アラ還個人事業主のほぼ引きこもり日記」の雅栄(がえい)です。
人生には、一冊の本との出会いが、その後の歩みをがらりと変えてしまうことがあります。私にとって、それが本多静六翁の著書『私の財産告白』でした。
前回の記事でお話しした通り、私はかつて数百万円の借金を抱え、どん底とも言える時期を経験しました。長い返済の日々を乗り越えた後、「二度と借金はしない」と心に誓いました。しかし正直に言えば、当時の私はまだ、お金と真正面から向き合えていませんでした。借金がなくなっただけで、「どう貯めるか」という問いへの答えを、まだ持ち合わせていなかったのです。
そんな私が、この本に出会ったのは40代前半のことでした。愛読していたメルマガの中で紹介されているのを目にして、なんとなく手に取りました。ところが読み進めるうちに、どんどん引き込まれていきました。
本多静六翁は、明治から昭和にかけて活躍した林学博士であり、実践的な資産形成を生涯をかけて体現した人物です。『私の財産告白』は、その半生と哲学を余すところなく伝える一冊です。難しい専門知識ではなく、一人の人間が誠実に生き、地道にお金と向き合った記録として読めるところが、私には深く刺さりました。
「4分の1貯金法」という、シンプルな革命
この本の中で、私が「これだ」と膝を打ったのが、4分の1貯金法でした。
内容はじつにシンプルです。「毎月の収入の4分の1を、必ず先に貯蓄へ回す」というもの。残りの4分の3で暮らす。それだけです。
しかしこの「それだけ」が、私には目から鱗でした。「余ったら貯める」ではなく、「先に取り分けてから使う」。この順番の違いが、お金の流れをまるで変えてしまうのです。
静六翁はさらに、賞与は全額貯蓄に回すことも勧めていらっしゃいます。……さすがにそこまでは真似できませんでしたけれど(笑)。
ルールが自由をくれました
実践し始めると、不思議なことが起きました。「使えるお金」が明確になったことで、かえって気持ちが楽になったのです。
以前の私は、なんとなくお金を使い、なんとなく不安を感じる、という繰り返しでした。それが、4分の3という枠の中で暮らすと決めた途端、何にどれだけ使えるのかが明確になり、無駄遣いも自然と減っていきました。最初は少し窮屈に感じた時期もありましたが、やがてその枠の中で工夫することが、むしろ心地よくなっていきました。
会社員だった頃、大きな恩恵として感じたのは「賞与に依存しない生活」が身についたことでした。多くの会社員にとって、賞与はあてにしたくなるものですが、あてにしすぎると、もらえなかったとき、あるいは会社を離れたとき、生活が揺らいでしまいます。個人事業主となった今、賞与はもちろんありません。それでも、かつて身につけた習慣のおかげで、経済的な不安をほとんど感じずに暮らせています。
貯蓄が、投資への扉を開いてくれました
貯蓄が習慣になると、もう一つの変化が訪れました。NISAなどの投資に、自然と目が向くようになったのです。
思えば以前は、投資という言葉を聞くたびに、なんとなく怖いと感じていました。でも今ならわかります。あの怖さは、貯蓄という土台がなかったからです。足元が固まれば、一歩踏み出す勇気は、自然と湧いてくるものです。
静六翁の教えは、単なる節約術ではありません。お金を通じて、自分の人生をどう生きるかを問いかけてくれるものです。それは、借金体質だった私が、着実に資産を積み上げる体質へと変わっていくための、静かで力強い道標でした。
私の人生を変えた一冊、本多静六翁の『私の財産告白』についてお話ししました。お金との向き合い方だけでなく、生き方そのものに影響を与えてくれた大切な本です。

